矢筈山の崖にそびえる投筆石
どんな伝承か
硫黄島の矢筈山と呼ばれる場所の崖の面に大きな石があり、木々の梢の上にそびえ立っている。高さは数十仞にも及び、これを投筆石という。昔、俊寛が配流されていたとき、この石に文字を書いて高い所から投げ落としたものといい、それゆえ投筆石と名づけられたと伝わる。その辺りは険しく、土地の者も登ることができず、遠くから石を仰ぎ見るばかりである。昔ひとりだけ崖に登った者があり、そのとき梵字が書かれていたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第14巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第14巻』所収の「文化叙事伝説」「自然説明伝説」全75話(熊本・宮崎・鹿児島=南九州)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。