赤い帯に引かれた十三の娘
どんな伝承か
里に住む小さな女の子が六観音詣りに行きたいとせがむので、十三になったら連れて行こうと親は約束した。その年になったので詣でに連れて行き、帰りに不動池のあたりを通りかかると、喉が渇いたという。池の畔まで下りて水をすくおうとすると、真っ赤な帯が浮かんでいた。娘がその帯をたぐり寄せると、帯もろとも湖の中へ引きずり込まれてしまう。親が驚いて、一目でよいから姿を見せてくれと祈ると、角を生やした蛇となって現れた。それゆえ十三になった女の子を山へ行かせるものではないというようになった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第14巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第14巻』は、熊本・宮崎・鹿児島の三県に伝わる伝説を集めた日本伝説大系の一巻である。阿蘇の大鯰や海幸山幸など神話に連なる話から、為朝・景清・人丸姫の伝承、長者や河童・狐の話、池の主や大蜘蛛退治、狩人と犬の話までを収める。各項目は口承を重んじた例話を冒頭に据え、梗概にした類話と、『肥後国誌』など近世以後の史料を原文で引く文献を続け、全体を文化叙事伝説と自然説明伝説の部に分ける。