持尾の隠れ世に三月滞在した三蔵
どんな伝承か
宮崎県都城市の持尾では、田谷万五郎と持尾小次郎という二人の老人が持尾の隠れ世に通ううち仙人となり、神の召使いを務めるようになったという。今から二百数十年前、財部の正寿寺で飯炊きをしていた三蔵という男が母智丘で白髪の老人に出会い、隠れ世へ案内されて三月ほど手厚いもてなしを受けた。老人から口外を固く止められていたため、探しに来た近所の者にも声をかけられなかったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第14巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第14巻』は、熊本・宮崎・鹿児島の三県に伝わる伝説を集めた日本伝説大系の一巻である。阿蘇の大鯰や海幸山幸など神話に連なる話から、為朝・景清・人丸姫の伝承、長者や河童・狐の話、池の主や大蜘蛛退治、狩人と犬の話までを収める。各項目は口承を重んじた例話を冒頭に据え、梗概にした類話と、『肥後国誌』など近世以後の史料を原文で引く文献を続け、全体を文化叙事伝説と自然説明伝説の部に分ける。