白鳥となった子と伊良部へ渡る母
どんな伝承か
嫁にも行かない美しい娘が身ごもったので、兄たちが問いただすと、太陽の昇るころ便所へ行ったら太陽の手が股に差し込んだと答えた。長兄は家では生ませられないと娘を追い出し、次兄が引き取って子を生ませる。子が五つになったとき、長兄の伯父が蛸を分ける際にその子の手を切った。すると子は白い鳥になって飛び去った。母はこれを聞いて嘆き、後産を埋めた場所で太陽に訴えると、白い鳥が飛んで来て、伊良部に渡って神となれと告げる。母は目を閉じたまま伊良部へ渡り、ピァーズ御岳の神になったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第15巻(山下欣一・遠藤庄治・福田晃(編集執筆)・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第15巻』は、山下欣一・遠藤庄治・福田晃が奄美・沖縄本島・沖縄先島の編集執筆を分担し、福田晃が全体をまとめた伝説集である。島々の口承伝説を、市町村の民話集や大学の口承文芸研究会の採集稿、近世の文献から集め、天地や人類の始まり、島建ての神、キジムナー、蛇婿、津波、御嶽や墓の由来などを収める。第一部「文化叙事伝説」と第二部「自然説明伝説」に分け、各話を例話・類話・文献・参考の順に並べ、類話は地域別に配列する。