遅れた知らせが招いた一族の自害
どんな伝承か
源平の戦に敗れた平家の落人が大島へ流れ着き、笠利村の屋仁に蒲生、安木屋場に今井、戸口に行盛、浦上に有盛が拠って身を守っていたという。蒲生と今井は毎朝、戸口の行盛に異状の有無を知らせ、行盛は夕方までに有盛へ伝える定めであった。ある日、今井の家来が大勝の女と親しくなって刻限に遅れたため、戸口の者は源氏に討たれたと思い込んで切腹し、蒲生の者も同じく果てた。遅れた家来も驚いて自害し、今井と蒲生も後を追った。人々は彼らを祀って神社を建て、竜郷でいちばん高いおで森からは今も年に数度、火の玉が飛ぶという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第15巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第15巻』所収の「文化叙事伝説」「自然説明伝説」全185話(奄美・沖縄=南西諸島)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。