鯖に助けられた盲人と鯖を食わぬ慎み
どんな伝承か
『宮古島旧記』が、仲宗根豊見親の末孫が鯖を食わない理由として記す条である。むかし西銘村にかはにやという盲人がおり、三人の息子は父の盲目を恥じて、海遊びに誘い出しては城赤という干瀬に置き去りにした。潮が満ちて死を覚悟した父のもとへ大きな鯖が現れ、その背に乗せて白川浜まで運んで命を助けた。捜しに出た二人の娘が父を見つけて連れ帰り、牛を一頭潰して鯖に礼として与えた。偽りを言った息子たちは、のちに漁へ出て風に巻かれ行方を絶ったという。姉娘の子孫は栄え、その末孫は鯖を氏神として慎み、口にしないと伝える。
原典より
「たいへんありがとう」と言って、浜にかがんでおったって。—— 日本伝説大系 第15巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承)) より引用
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第15巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第15巻』所収の「文化叙事伝説」「自然説明伝説」全185話(奄美・沖縄=南西諸島)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。