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鮭に嫁いだコウアン様の娘

所在地岩手県遠野市遠野町裏町
年代明治維新頃
登場医師コウアン家の娘、俵田、この話の報告者
出典佐々木喜善全集 1

どんな伝承か

明治維新の当時のことである。遠野町字裏町に、コウアン様という医師の家があった。この家に一人の美しい年頃の娘がいた。ある夏の日の夕方、表の柱に凭れて往来を見ていたが、そのまま神隠しに遭ってしまった。一人娘のことであるからひどく悲嘆に暮れ、娘の失踪の日を命日として懇ろに供養をしていた。それから三、四年経ったある日のこと、この里の家の流前に一尾の鮭が飛び込んだ。その家では、その魚は必ず娘に関わりがある、娘が鮭と婚姻の関係を結んだのだとして、それ以後この魚を決して食べないという。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

佐々木喜善全集 1(佐々木喜善・佐々木喜善全集・1986年(昭和61年))

『佐々木喜善全集 1』は、佐々木喜善の著作を遠野市立博物館が編集・発行し、昭和六十一年に刊行した全集の第一巻である。岩手県の遠野・江刺・紫波・岩手などで聞き集めたザシキワラシの話、昔話、伝説を、村の古老や知友からの聞き書きと手紙による報告をもとに収める。「奥州のザシキワラシの話」「江刺郡昔話」「紫波郡昔話」「東奥異聞」「老媼夜譚」「聴耳草紙」に小篇を加えて並べ、巻末に遠野市教育長の跋と奥付を置く。

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