捨てた子を連れ戻したひとりゃの浜
どんな伝承か
竹富島の東南、岸壁の切れ目に二十メートルほど白浜の開けた所をひとりゃの浜という。夫に先立たれた若い妻が、乳飲み子を抱えて思うように働けず、その上に年貢の御用布まで織らねばならず、思いあまって満潮の波打ち際に赤子を置き去りにした。翌日見に行くと子は生きており、着物は潮に浸って湿っていた。母は泣きながら乳を与え、来る日も来る日も通った。やがて荒れ野に野生の大豆が茂るのを見つけて力を得、子を抱いて家へ連れ帰り育てたという。島では衣が湿ることをひとりどると言う。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第15巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第15巻』所収の「文化叙事伝説」「自然説明伝説」全185話(奄美・沖縄=南西諸島)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。