狂歌を奉じて祟られた検福穴八幡
どんな伝承か
伊仙町検福の部落から一キロメートルあまり北に洞穴がある。入口は高さ約三メートル、幅五メートルばかり、深さはほぼ二〇〇メートルの鍾乳洞で、洞内には地下水が流れ、夏でもひんやりする暗河である。一〇〇メートルほど行くと左側に石段があり、鍾乳石の碑が立っている。ここが検福穴八幡といわれる所で、検福とその周辺の人々の氏神となっている。以前は石碑の前に男根をかたどった花瓶があり、狂歌が記されていた。昔の島詰めの役人が戯れに奉納したものという。この神は女神なので、その役人は神の怒りにふれ、帰国の際に遭難して命を落としたと伝えられる。奉納をことづかった人の子孫も神罰を受け、二度と参詣できなくなったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第15巻(山下欣一・遠藤庄治・福田晃(編集執筆)・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第15巻』は、山下欣一・遠藤庄治・福田晃が奄美・沖縄本島・沖縄先島の編集執筆を分担し、福田晃が全体をまとめた伝説集である。島々の口承伝説を、市町村の民話集や大学の口承文芸研究会の採集稿、近世の文献から集め、天地や人類の始まり、島建ての神、キジムナー、蛇婿、津波、御嶽や墓の由来などを収める。第一部「文化叙事伝説」と第二部「自然説明伝説」に分け、各話を例話・類話・文献・参考の順に並べ、類話は地域別に配列する。