岩の下に埋められた銀と白銀岩
どんな伝承か
『遺老説伝』附巻が記す白銀堂の由来。昔、兼城間切糸満村の北に白銀岩と呼ぶ岩があった。幸地村から移り住んだ美殿という者が倭人から銀を借りたが、期限を過ぎても返せずにいた。取り立てに来た倭人が岩の下に隠れていた美殿を見つけて斬ろうとすると、美殿は、怒れば手を動かすな、手が動けば心を戒めよ、という古人の言葉を説き、来年こそ返すと嘆願した。倭人は期限を延ばして帰国したが、夜半に家へ入ると妻が男と寝ている。抜刀しかけて戒めを思い出し、灯をかざすと、留守を案じて男装した母だった。感激した倭人は再び琉球へ渡って礼を述べ、美殿も銀を用意したが互いに受け取らず、銀は岩の下に埋められた。人はそこを白銀岩と呼んだ。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第15巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第15巻』所収の「文化叙事伝説」「自然説明伝説」全185話(奄美・沖縄=南西諸島)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。