大蛇の棲んだ二本欅と義理目木
どんな伝承か
中田町木目沢の字蟹沢には昔からの旧道が通っており、その側に木目沢館跡がある。この辺を義理目木と呼ぶ。昔、館跡に欅の大木が二本並んで立ち、幹が交叉していたため、風の吹くたびにギリギリと音がしたのが名の起こりという。欅は三春の城の改築の御用材として伐採されたが、根元は空洞で、その中に大蛇が棲んでいた。棲家を奪われた蛇は旧道のウツギの垣根に首をつっこんで七日間も動かず、某家の先祖が蛇神様の御神体にしようと竹槍で殺そうとしたところ、蛇は鎌首をもたげて火を吹き、その人は命からがら逃げ帰り、のちに長わずらいをしたと伝えられる。
原典より
中田町木目沢字蟹沢は、昔からの旧道が通っており、その側に木目沢館跡がある。—— 郡山の伝説(郡山市教育委員会(編)・大島建彦(監修)・ふるさとの文化財調査事業・1986年(昭和61年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
郡山の伝説(郡山市教育委員会(編)・大島建彦(監修)・ふるさとの文化財調査事業・1986年(昭和61年))
『郡山の伝説』は、郡山市教育委員会が大島建彦の監修を受けて昭和六十一年に編んだ伝説集である。昭和五十九年度の「ふるさとの文化財調査事業」で調査員が市内全域から採集した伝説を中心に、郷土誌などで補った話を収め、采女伝説や坂上田村麻呂・源義家・弘法大師にまつわる話が多い。『日本伝説名彙』にならって木・石岩・水・塚・坂峠山・祠堂・家村・祭礼行事の部に分け、各話に伝承地と報告者名を添え、巻頭に監修者の解説を置く。