七歳の子に化けた福良の鼻取り地蔵
どんな伝承か
福良の浦町に鼻取り地蔵が祀られている。古い立派な地蔵堂で、高い縁の下には盆踊りの櫓や祭りの道具が納められていた。昔、子のない老夫婦が浦町で田を作っていた。田植え前、代掻き馬の鼻取りがいないので婆に手伝わせたが、転んでばかりで困っていると、見知らぬ元気な子どもが現れ、裸足で田に入って上手に鼻取りをしてくれた。爺が来年も頼むと言うと、子は七歳だと答え、来年と再来年は馬鎌の子と年が合うのでやれないと言う。代は夕方早く仕上がり、礼をしようとすると姿が消えていた。地蔵堂へ駆けつけると泥足であがった跡があり、地蔵の足もとは泥だらけで、顔はあの子にそっくりだったという。
原典より
福良の浦町に鼻取り地蔵が祀られている。—— 郡山の伝説(ふるさとの文化財調査事業・昭和六十一年(1986)刊/監修 大島建彦) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
郡山の伝説(ふるさとの文化財調査事業・昭和六十一年(1986)刊/監修 大島建彦)
福島県郡山市(旧安積郡・田村郡域、湖南・熱海・三穂田・逢瀬・西田・中田ほか各町)に伝わる伝説を、木/石・岩/水/塚/坂・峠・山/祠堂/家・村/祭礼・行事の八部門に分類して集成する。坂上田村麻呂や阿古陀媛・采女伝説・萩姫、源義家ら前九年の役の人物伝承、淵や池の主・龍神・河童、弘法大師の清水、稲荷・観音・地蔵の霊験、長者伝説や埋蔵金、隠れキリシタンなど、郡山の地に根ざした怪異・霊験・由来譚を伝承地つきで網羅する。