口だけの横座のけず草
どんな伝承か
昔から「横座のけず草」「横座のげんこつ」という言葉が残っている。口では言っても実行できないことに使うという。昔、別所に角兵衛という百姓がいた。春の日、農作業の段取りで家族会議を開き、堆肥が足りないので刈り草でまかなうと決め、早稲田に百十駄、鳥井原に八十五駄、割田に百五十駄、大壇に百八十駄だと言い渡した。脇で聞いていた妻が、そんなに取っても田に付けられまいと案じると、角兵衛は怒って妻の頭に拳を一発飛ばしたという。以来この言葉は横座のげんこつともいわれるようになった。
原典より
昔から、「横座のけず草」「横座のげんこつ」という言葉が残されている。—— 郡山の伝説(郡山市教育委員会(編)・大島建彦(監修)・ふるさとの文化財調査事業・1986年(昭和61年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
郡山の伝説(郡山市教育委員会(編)・大島建彦(監修)・ふるさとの文化財調査事業・1986年(昭和61年))
『郡山の伝説』は、郡山市教育委員会が大島建彦の監修を受けて昭和六十一年に編んだ伝説集である。昭和五十九年度の「ふるさとの文化財調査事業」で調査員が市内全域から採集した伝説を中心に、郷土誌などで補った話を収め、采女伝説や坂上田村麻呂・源義家・弘法大師にまつわる話が多い。『日本伝説名彙』にならって木・石岩・水・塚・坂峠山・祠堂・家村・祭礼行事の部に分け、各話に伝承地と報告者名を添え、巻頭に監修者の解説を置く。