叩いても鳴かせろという師走狐
どんな伝承か
狐が師走に鳴くのは豊作の兆しだという和歌山県の言い伝えに続けて、師走にはあまり鳴かないためか、鳥取県の気高郡には「師走狐は叩いても鳴かせろ」ということわざがあると紹介されている。村上政吉が『民族』一巻四号に報告したものである。狐の鳴き声に吉凶を読む伝承の一つとして挙げられている。
原典より
事実、この月にはあまり鳴くことがないというが、そのためか、鳥取県気高郡では師走狐は叩いても鳴かせろという俚諺がある(民族一の四、村上政吉氏稿)。—— 日本の憑きもの――俗信は今も生きている(石塚尊俊・1959年(昭和34年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本の憑きもの――俗信は今も生きている(石塚尊俊・1959年(昭和34年))
『日本の憑きもの――俗信は今も生きている』は、石塚尊俊が昭和三十四年に著した研究書である。狐・犬神・蛇などの動物霊が人に憑くという俗信と、それを操るとされる家筋について、全国の伝承と近世以来の文書を集めて論じる。出雲・隠岐・豊後・土佐では筋の家の割合や縁組の偏りを調べ、憑きもの落としの行法や家の神とのつながりまでを七章で追っている。