恐山のイタコが伝える冥界の声
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どんな伝承か
戦の渦中で討たれ修羅道に堕ちた武者が、この世に姿をあらわして苦しみを語り回向を求めるという筋は、後世の能の修羅物などにも数多く見られる趣向である。亡魂が人の夢に現れ、生前の悲劇や臨終のありさまを物語り、冥界の苦患を告げて抜苦往生の法会供養を要請するという形式は、軍記語りの根本的な形式であるという。そして青森県の恐山などでは、霊媒の口を通じた敗者のいくさがたりが今も生きており、先の大戦で夫や子を失った人びとが、イタコからその冥界の声を聞いて涙を流していることが指摘されている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
将門伝説——民衆の心に生きる英雄(梶原正昭・矢代和夫・(平将門伝説の研究書))
梶原正昭・矢代和夫『将門伝説——民衆の心に生きる英雄』を、論考の節単位で全67事例として収録した研究書(地域伝説集ではない)。平安中期の平将門(承平天慶の乱)をめぐる伝説を、英雄の死と伝説の誕生(冥界・調伏・怨霊・首の怪異・七人の影武者・妙見信仰・石化)、落人たちの運命(将軍太郎良門・如蔵尼の堕地獄と救済・滝夜叉姫・桔梗塚の寵妃・後裔と将門遺跡)、将門伝説の展開(馬の文化・関東一円の分布圏・文芸化・首塚の祟りと再評価)として論じる。
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