将門の野馬放ちに始まる野馬追
どんな伝承か
附録の「将門伝説分布」の福島県の条に、相馬の野馬追いが挙げられている。所在は原ノ町附近とされ、相馬氏の祖である平将門が下総国小金原で野馬を放ち、関八州の兵を集めてこれを追ったのに始まるという。毎年七月十六日より四日間これをおこなうと記されている。同じ条には、相馬氏の居城跡や、高祖将門の霊を祀る小高神社・国王神社・太田神社・中村神社など、将門の由緒を語る遺跡が並んで挙げられており、野馬追いもその一つとして数えられている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
将門伝説——民衆の心に生きる英雄(梶原正昭・矢代和夫・(平将門伝説の研究書))
梶原正昭・矢代和夫『将門伝説——民衆の心に生きる英雄』を、論考の節単位で全67事例として収録した研究書(地域伝説集ではない)。平安中期の平将門(承平天慶の乱)をめぐる伝説を、英雄の死と伝説の誕生(冥界・調伏・怨霊・首の怪異・七人の影武者・妙見信仰・石化)、落人たちの運命(将軍太郎良門・如蔵尼の堕地獄と救済・滝夜叉姫・桔梗塚の寵妃・後裔と将門遺跡)、将門伝説の展開(馬の文化・関東一円の分布圏・文芸化・首塚の祟りと再評価)として論じる。