琵琶に通った大悲山の大蛇
どんな伝承か
玉都という琵琶法師が眼病のため上方から来て、大悲山の観音に願をかけ薬師堂に籠もった。夜ごと琵琶を弾いて淋しさを慰めていると、一人の武士が音を聞きつけて訪れ、毎晩通うようになる。ある晩、武士は自分は薬師堂の池に住む大蛇だと明かし、身体が大きくなって池に住めないので七里四方を泥海にする、琵琶の礼にお前だけは逃がすが他言すれば八つ裂きにすると告げた。玉都は迷った末、小高の相馬公のもとへ走って訴えた。城を出るなり空はかき曇り、大蛇が現れて法師を奪い去る。人々は鉄が蛇の毒と知って釘を山谷に打ち、ついに大蛇を退治した。玉都の霊は池中に弁財天として祀られたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第3巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第3巻』所収の「文化叙事伝説」および「自然説明伝説」全65話(山形・福島・新潟)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。