黄金の太刀が蛇に化けた話
どんな伝承か
『奥相茶話』に、将門より相馬家代々に伝わる秘宝として、ちけんまるかしと蛇太刀の由来が問答の形で語られる。蛇太刀は、往古、先主が春風に袂を翻して山花の褥に酔い臥したとき、花樹に掛けた太刀を忘れて帰り、酔いが醒めて驚き立ち出でて花林の下に至ると、行人が徘徊して去らない。先主が問うと、自分は旅の者だが、花樹を見れば黄金を彫った太刀があり、取ろうとすると忽ち化して蛇となる、奇怪な物であると答えた。先主が見ると蛇は縮んで太刀となったので、これを取って帰った。これより蛇太刀と申すのだという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
将門伝説——民衆の心に生きる英雄(梶原正昭・矢代和夫・1966年(昭和41年))
『将門伝説——民衆の心に生きる英雄』は、梶原正昭と矢代和夫が一九六六年に著した平将門の伝説の研究書である。茨城県岩井町をはじめ各地の伝説地の踏査と、縁起・古記録・地誌をもとに、将門の怨霊と調伏、七人の影武者、子の良門や娘の如蔵尼、寵妃桔梗ら落人の行方、後裔を名告る家々、伝説の伝播と文芸化をたどる。序章と三篇からなり、巻末に青森県から鳥取県までの伝説分布と、寺社縁起など関係文献の抄録を附録として付す。