火消しに命を落とした医王寺の蟹塚
どんな伝承か
川崎市川崎区旭町の医王寺に、蟹塚と呼ばれる塚がある。昔、この寺が火事になったとき、池に棲む蟹たちが這い出してきて、あぶくを吹いて火を消そうとした。火が収まってみると、堂の下には真っ赤に焼けた何千匹もの小さな蟹が死んでいた。寺ではこれを埋めて供養したのが蟹塚だという。それ以来、この寺の池の蟹は甲羅が赤いのだとも伝えられる。『神奈川県の民話と伝説』に載る話である。
原典より
川崎市川崎区旭町の医王寺に、蟹塚というものがある。—— 武蔵の伝説(大島建彦/渡辺千佳子・日本の伝説・1976年(昭和51年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
武蔵の伝説(大島建彦/渡辺千佳子・日本の伝説・1976年(昭和51年))
『武蔵の伝説』は、大島建彦と渡辺千佳子が昭和五十一年に著した伝説集である。埼玉県・東京都と神奈川県の一部にあたる旧武蔵国の伝説を、地誌・紀行・社寺縁起・区市史や『埼玉県伝説集成』などの文献と土地の口碑から集め、項目ごとに出典を添える。『日本伝説名彙』の六部門に家・村と祭礼・行事を加えた八部に分け、巻頭の「はじめに」で伝説の分類の方法を論じている。