山田の東北にある雨乞山
どんな伝承か
埼玉県秩父市山田の東北にある雨乞山は、『新記』巻二五三に短く記されるのみで詳しい伝説は伝わっていない。日照りの際にこの山に登って雨を祈る風習が県内各地の雨乞山・雨乞塚に共通して見られ、山田の雨乞山もそうした雨乞い信仰の対象の一つであったと考えられている。長瀞町の雨乞山や児玉町・寄居町の雨乞山でも、村人が山頂に登り太鼓や笛を鳴らして雨を祈ったと伝えられている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
埼玉県伝説集成——分類と解説 上(韮塚一三郎・埼玉県伝説集成)
『埼玉県伝説集成――分類と解説 上』は、韮塚一三郎が埼玉県内の伝説を類型ごとに集めて編んだ伝説集の上巻である。片目の魚、化かす狐や狸、松・杉などの樹木、石や岩、ダイダラ坊と山、清水・渕・池・井戸にまつわる県内各地の伝説を、郷土誌や地誌、『埼玉史談』などの文献と、地元の資料提供者や話者の報告から採って収める。各話に所在地と出典を添え、話型ごとに〈解説〉を置いて全国の類例と信仰の背景を論じ、[参考]文献を挙げる。