竜辰を呼ぶ雨乞山の祈願
どんな伝承か
寄居町西ノ入の雨乞山では、古くから雨乞いの祭りに波羅比門神社の氏子が早朝から山頂に登って祈願した。太鼓を打ち、笛を吹き、大麻を振って「雨乞山の竜辰、雨をまいてたもれ」と唱え、代わる代わる大声で何十回も呼ぶと雷雨が沛然と降ったという。また日照りが続くと、神社に安置するお駒を「釜」のあたりの仮屋に移して降雨を祈った。『大里郡神社誌』に載る。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
埼玉県伝説集成——分類と解説 上(韮塚一三郎・埼玉県伝説集成)
『埼玉県伝説集成――分類と解説 上』は、韮塚一三郎が埼玉県内の伝説を類型ごとに集めて編んだ伝説集の上巻である。片目の魚、化かす狐や狸、松・杉などの樹木、石や岩、ダイダラ坊と山、清水・渕・池・井戸にまつわる県内各地の伝説を、郷土誌や地誌、『埼玉史談』などの文献と、地元の資料提供者や話者の報告から採って収める。各話に所在地と出典を添え、話型ごとに〈解説〉を置いて全国の類例と信仰の背景を論じ、[参考]文献を挙げる。