片袖を置いて去る堀口坂
どんな伝承か
大宮の高木から中釘へ向かう道が田圃へ下るあたりに、堀口坂という坂がある。高木の堀口氏の家のそばから始まる坂で、名もそこに由来する。昔からこの坂で転んだ者は、片袖を切り取って転んだ場所に置いていかなければ命にかかわると言い伝えられてきた。転んだ者が袖を差し出して災いを逃れる、袖もぎの俗信を伝える坂である。
原典より
高木の二五七番地の堀口氏の所から中釘に行く道の田圃へ下り際を「堀口坂」という。—— 埼玉県伝説集成——分類と解説 上(韮塚一三郎・埼玉県伝説集成) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
埼玉県伝説集成——分類と解説 上(韮塚一三郎・埼玉県伝説集成)
『埼玉県伝説集成――分類と解説 上』は、韮塚一三郎が埼玉県内の伝説を類型ごとに集めて編んだ伝説集の上巻である。片目の魚、化かす狐や狸、松・杉などの樹木、石や岩、ダイダラ坊と山、清水・渕・池・井戸にまつわる県内各地の伝説を、郷土誌や地誌、『埼玉史談』などの文献と、地元の資料提供者や話者の報告から採って収める。各話に所在地と出典を添え、話型ごとに〈解説〉を置いて全国の類例と信仰の背景を論じ、[参考]文献を挙げる。