茶碗の星影で水脈を占う大和田
どんな伝承か
新座市大和田のあたりは古来畑地で、井戸は容易に掘れず、掘るには大金を要した。そのため無駄な井戸掘りを避けようと、あらかじめ水脈の有無を占う習わしがあったという。その方法は、茶碗に水を入れて地上に置き、その水面に空の星影が映るかどうかを見るというもので、映れば水が出るとし、映らなければ場所を変えて同じことを試みた。『郷土研究』一ノ四に見える。埼玉には飯能市高山や入間郡越生町大満のように井戸を持たない村の伝えもあり、水を得ることの難しさが多くの言い伝えを生んだ。
原典より
大和田附近は古来畑処で、井戸は容易に掘れず、大金を要する。—— 埼玉県伝説集成——分類と解説 上(韮塚一三郎・埼玉県伝説集成) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
埼玉県伝説集成——分類と解説 上(韮塚一三郎・埼玉県伝説集成)
『埼玉県伝説集成――分類と解説 上』は、韮塚一三郎が埼玉県内の伝説を類型ごとに集めて編んだ伝説集の上巻である。片目の魚、化かす狐や狸、松・杉などの樹木、石や岩、ダイダラ坊と山、清水・渕・池・井戸にまつわる県内各地の伝説を、郷土誌や地誌、『埼玉史談』などの文献と、地元の資料提供者や話者の報告から採って収める。各話に所在地と出典を添え、話型ごとに〈解説〉を置いて全国の類例と信仰の背景を論じ、[参考]文献を挙げる。