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平内様の夢告で大地震を逃れた要吉

所在地東京都台東区浅草二丁目(平内堂)
年代伝承(口承)
登場要吉、要吉の父、お絹、平内兵衛(平内様)、平内様の夢告で大地震を逃れた花川戸の駄菓子屋の倅、要吉と共に難を逃れた駄菓子屋、要吉を見初めた上野山下の油屋の娘、夢に侍の姿で現れ告げた石像の主
出典江戸傳説

どんな伝承か

浅草花川戸のあたりで駄菓子を商う家の息子要吉は、浅草寺の平内様を深く信じ、毎日のように石像の前にぬかずいて商売の繁盛を願っていた。安政二年十月一日の夜、荒々しい侍が枕元に現れ、明日は近所の商いを休んで番町の叔父の家に泊まり、帰りには自分のところへ寄れと告げて消えた。翌朝、平内像の顔が夢の侍と同じなのに気づいた要吉は、お告げどおり商いをしながら番町へ向かい、帰らぬ息子を案じた父も後から訪ねて来た。その夜に大地震が起こり、親子が急いで戻ると家は焼けてなくなっていた。夢を思い出して火の間を抜け平内堂の前まで来ると、見知らぬ男が二人を観音の本堂の縁の下へ連れて行き、そのまま姿を消した。そこには親子の荷物が積まれていたという。親子は焼け跡に小屋を建てて商いを続け、暮らしは日ごとに楽になった。やがて上野山下の油屋の娘お絹が平内様に縁を願ううち要吉を見初め、要吉は二十歳で油屋の婿となって夫婦仲よく栄えたと伝わる。

原典より

然るに地震の前日即ち十月朔日の夜、彼が寝てゐる枕元に一人の荒くれ侍が承り、明日は近所の商ひを止めて番町の叔父の所を尋ね一泊し、其歸りには我が方へ立寄られよ—— 江戸傳説(佐藤隆三) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

江戸傳説(佐藤隆三)

『江戸傳説』は、佐藤隆三が著した江戸と東京の伝説集である。将門の首塚、番町皿屋敷、お玉ヶ池、置てけ堀、縁切榎、矢口渡など、市中と近郊の塚・池・坂・井戸・寺社にまつわる由来譚や、化け狐・猫又の怪異を、『江戸名所図会』『将門記』などの記録を引きつつ語る。目次に四十の項を番号順に並べ、口絵の図絵と目次番号に対応した伝説分布図を添え、巻末に資料参考書目を付す。

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