東国へ飛んだ将門の首
どんな伝承か
大蔵省の構内、内務省に接した一角に石段があり、その上に古びた碑と小高い塚が築かれている。これが平将門の首塚である。かつては首を洗ったという井戸や御手洗池もあったが、震災後の庁舎建設で取り払われた。この地はもともと神田明神が起こった場所にあたる。伝えによれば、京で梟首された将門の首は三月のあいだ色も変わらず目も閉じず、夜ごと牙を鳴らして胴を求めて叫んだ。ある夜その首は虚空を飛び、武蔵国の田の中へ落ちて光を放った。土地の者が祟りを恐れて祠を建てて祀ったのが神田明神の始まりだという。首ではなく胴を埋めたので、からだの明神が訛ったとする説もある。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
江戸傳説(佐藤隆三)
佐藤隆三編『江戸傳説』を全42話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。