天籟寺の氏子の人生儀礼と氏神参り
どんな伝承か
戸畑区天籟寺の氏子は、祭礼の奉仕のほか一生の節目ごとに氏神へ参る。子供が生まれるとヒアケ(男子は三一日、女子は三三日)を待って宮参りをし、氏子となる。三歳のひぼとき、九歳のへこかき、三十三歳と四十二歳の厄落とし、還暦から米寿までの年祝いには衣類を新調して参拝し、神職の祓いを受けた。嫁いで村を出る女性は盛装して参り、男は入営や出征、帰還のたびに参った。切実な願いを持つ者は寒中の裸参りをし、三月末には子供が及第籠りをした。願ほどきには梅などの木や絵馬、燈籠を納める。各戸は神棚に天満宮を祀って毎朝拝み、二十五日は天満宮の日として大切にした。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
北九州市史 民俗(北九州市・北九州市史)
『北九州市史 民俗』は、北九州市が編んだ市史の民俗編である。ここに収めるのはその第三編「信仰伝承」第一章「信仰」の第二節以降で、門司・小倉・若松・八幡・戸畑の各区に伝わる聖地と忌地、神仏信仰、神事と法会、巡礼、巫者・祈禱師、信仰集団、狐憑きや犬神などの憑霊・霊異現象を記す。節ごとに地区と地名を挙げて事例を並べる編み方で、祟る石や産女石、落人の墓なども忌地の項に見える。