火の神と水の神が争う平尾台の鎮火太鼓
どんな伝承か
北九州市小倉南区、平尾台の山上に鎮座する大山祇神社では、二月十一日に鎮火祭が営まれる。前庭に青竹を四隅へ立てて注連を張り、庭火を焚く穴を掘り、火打ち石と、水・ひさご・土・川菜の四種を据える。若者は台上でただ一つの平尾の湧水井戸から若水を汲み、広谷盆地の川菜を採って場を整える。斎主は燃え盛る火にひさごの水を三度かけ、川菜と土を投じて鎮める。この間ずっと奏されるのが鎮火太鼓で、火の神の出現、火の神と水の神と人との争い、そして調和と野焼きの景を三部で表すという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
北九州市史 民俗(北九州市・北九州市史)
『北九州市史 民俗』は、北九州市が編んだ市史の民俗編である。ここに収めるのはその第三編「信仰伝承」第一章「信仰」の第二節以降で、門司・小倉・若松・八幡・戸畑の各区に伝わる聖地と忌地、神仏信仰、神事と法会、巡礼、巫者・祈禱師、信仰集団、狐憑きや犬神などの憑霊・霊異現象を記す。節ごとに地区と地名を挙げて事例を並べる編み方で、祟る石や産女石、落人の墓なども忌地の項に見える。