田代の庚申祭と鼻高天狗の幅
どんな伝承か
北九州市八幡東区田代の庚申祭は、六一日ごとに巡ってくる庚申の日に、持ち回りの座元の家で開かれる。参加できるのは各家の主人、すなわち男に限られている。座元では床の間に鼻高天狗の面幅と猿田彦大神の書幅を掛け、おはぎを供える。参加者がそろうとまずおはぎを食べ、そのあとに祝宴が催される。各人の膳には刺し身、酢物、吸い物、魚の煮付け、煮込み、煮豆が付き、酒を酌み交わしながら夜半まで歓談が続く。この土地には「話は庚申の晩にせえ」という言葉がある。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
北九州市史 民俗(北九州市・北九州市史)
『北九州市史 民俗』は、北九州市が編んだ市史の民俗編である。ここに収めるのはその第三編「信仰伝承」第一章「信仰」の第二節以降で、門司・小倉・若松・八幡・戸畑の各区に伝わる聖地と忌地、神仏信仰、神事と法会、巡礼、巫者・祈禱師、信仰集団、狐憑きや犬神などの憑霊・霊異現象を記す。節ごとに地区と地名を挙げて事例を並べる編み方で、祟る石や産女石、落人の墓なども忌地の項に見える。