本城力丸の狐憑き
どんな伝承か
狐憑きの話はどの地区にも多いが、八幡西区本城力丸では六、七十年前に、ある人物にキツネが憑いた。この人はニワトリや卵を取って山の中へ逃げ込み、村中が大騒ぎになって山狩りをして捜し回った。穴生の座頭に拝んでもらったものの、とうとう死ぬまでキツネは落ちなかったという。ほかにも似た人がいたが、今でいう精神障害だったらしく、昔はそうした人を狐憑きと呼ぶことが多かった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
北九州市史 民俗(北九州市・北九州市史)
『北九州市史 民俗』は、北九州市が編んだ市史の民俗編である。ここに収めるのはその第三編「信仰伝承」第一章「信仰」の第二節以降で、門司・小倉・若松・八幡・戸畑の各区に伝わる聖地と忌地、神仏信仰、神事と法会、巡礼、巫者・祈禱師、信仰集団、狐憑きや犬神などの憑霊・霊異現象を記す。節ごとに地区と地名を挙げて事例を並べる編み方で、祟る石や産女石、落人の墓なども忌地の項に見える。