片目の鯉が棲む背戸の竜王様
どんな伝承か
中条にある背戸の竜王様は、六百六十年あまり前に始まったと伝わる。新田義貞が倒幕の兵を挙げたとき、大井田城主の大井田遠江守も駆けつけ、稲村ヶ崎では竜神の加護を得て幕府を倒し、建武の中興の礎を築いたという。凱旋の際、遠江守はこの竜神を守り神として迎え、城山の麓に祀った。境内の杉は枝が片側にしか伸びず、池の鯉はどれも片目だといわれる。本尊が竜神であるため、日照りの時に雨乞いをすればたちまち雨を降らせてくれるとされ、農業の神としても敬われている。
原典より
なお、この竜王様境内の杉は枝が片側だし、池のコイはすべて片目。—— 十日町市史 資料編8 民俗(十日町市・十日町市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
十日町市史 資料編8 民俗(十日町市・十日町市史)
『十日町市史 資料編8 民俗』は、十日町市の市史資料編の民俗の巻であり、ここにはそのうち第二節「伝説」を収める。市内に伝わる伝説を木、石・岩、水、塚、坂・峠・山、祠堂、家・ムラの七つに分け、遊行上人にお札をもらいに来た木、片目の魚がすむ七ツ釜、新田義貞の挙兵にちなむ観音塚や竜王様、弘法清水などの梗概を記す。冒頭に伝説と昔話の違いを説く解説を置き、話を梗概にとどめたことと別冊『十日町の昔ばなし』の参照を断る。