常胤のもとを去った羽衣の妻と衣明神
どんな伝承か
千葉市武石の羽衣神社には、千葉常胤にまつわる言い伝えがある。常胤がこの地を訪れたとき、羽衣をまとった美しい女が空から舞い降り、おそばに仕えたいと申し出た。常胤は羽衣をしまい込んで女と夫婦になり、七人の子に恵まれた。ある日、常胤は羽衣が傷むのを気づかって清水で洗い、松の枝に干しておいた。すると女はその羽衣を身につけ、いずこともなく去ってしまった。常胤はそののち衣明神を建て、祭りを欠かさなかったという。
原典より
ある日、常胤は羽衣が汚損されるのを心配して清水で洗い松の枝に干しておいたところ、彼女はその羽衣を身につけてどこかへ行ってしまった。—— 千葉市の伝説(平野馨) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
千葉市の伝説(平野馨)
『千葉市の伝説』は、平野馨が千葉市内に伝わる伝説をまとめた文章である。日本武尊と弟橘媛、行基、千葉氏の祖と天女、源頼朝、徳川家康・家光にまつわる話を中心に、神社仏閣・塚・泉・池・橋・地名の由来や、千葉笑い・雨降かっこなどの行事の起こりを集める。四十三の短い項を古代から近世へおおむね時代の順に並べ、多くの見出しに町名を添え、ところどころに別伝や発掘調査の結果を書き添える。