三十六基が並ぶ中鹿山の旗塚
どんな伝承か
日高の中鹿山にある旗塚は、経塚の名でも呼ばれる塚の群れである。『入間郡誌』によれば周囲は五、六間から十間ほど、高さは三、四尺から五、六尺で、全部で三十六基が互い違いに二列をなして並ぶ。東側は集落へ続く丘の上に位置し、南北には原野をへだてて入間川と高麗川の二筋を望むことができるという。『新編武蔵風土記稿』は、これを女影原の合戦の折に鎌倉勢が旗を立てた跡ではないかと推している。
原典より
この旗塚を『新記』は女影原合戦の時、鎌倉勢が旗を立てた跡だろうとし、…—— 埼玉県伝説集成——分類と解説 中(韮塚一三郎・埼玉県伝説集成) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
埼玉県伝説集成——分類と解説 中(韮塚一三郎・埼玉県伝説集成)
『埼玉県伝説集成——分類と解説 中』は、韮塚一三郎が編んだ埼玉県の伝説集の中巻で、上中下三巻のうち歴史伝説を収める。地名・屋敷・家系・聖地・城や堤や橋・神仏・神体と宝物・偉業・事件と紛争の九章に分け、県内各地の伝説を『新篇武蔵風土記稿』などの文献と土地の人からの聞き取りによって集めている。一話ごとに所在地と出典または資料提供者を記し、同じ類型の話をまとめた後に柳田国男らの説を引く〈解説〉を置く。