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老婆が明かした松山城の白米の計

所在地埼玉県比企郡吉見町大字南吉見根小屋(松山城)
年代永禄六年
登場太田資正、上杉謙信、籠城した城主、援軍を求められた武将
出典埼玉県伝説集成——分類と解説 中

どんな伝承か

吉見町根小屋の松山城跡に伝わる落城の話である。永禄六年、北条氏が武田氏とともに攻め寄せ、城主の太田資正は上杉謙信に援軍を頼んで籠城した。武田方は水の手を断って落とそうとしたが、城は険しくなかなか落ちない。ある日、城の上でたらいの水で馬を洗う様子が見え、武田方は攻略をあきらめかけた。ところが見回りの武士が草むらで洗い物をする老婆に出会い、城へ引く隠し水のことと、馬を洗っていたのは水でなく米だという計略を聞き出した。隠し水をせき止めて攻めたため城は落ちた。老婆は松山のこうじ屋の者と知れ、以来松山町ではこうじ屋が栄えなくなったという。

原典より

一方落城の因をつくったこの一老婆は、松山のこうじ屋の老婆と知れて、それからというもの松山町ではこうじ屋は繁昌しなくなったという。—— 埼玉県伝説集成——分類と解説 中(韮塚一三郎・埼玉県伝説集成) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

埼玉県伝説集成——分類と解説 中(韮塚一三郎・埼玉県伝説集成)

『埼玉県伝説集成——分類と解説 中』は、韮塚一三郎が編んだ埼玉県の伝説集の中巻で、上中下三巻のうち歴史伝説を収める。地名・屋敷・家系・聖地・城や堤や橋・神仏・神体と宝物・偉業・事件と紛争の九章に分け、県内各地の伝説を『新篇武蔵風土記稿』などの文献と土地の人からの聞き取りによって集めている。一話ごとに所在地と出典または資料提供者を記し、同じ類型の話をまとめた後に柳田国男らの説を引く〈解説〉を置く。

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