トップ > 埼玉県の伝承 > 幸手市

母子巡礼が身を投じた権現堂の巡礼堤

所在地埼玉県幸手市大字権現堂(権現堂堤)
年代伝承
登場母子の巡礼
出典埼玉県伝説集成——分類と解説 中

どんな伝承か

幸手町権現堂の権現堂堤は、切れれば江戸の町の半ばが水につかるといわれた大切な堤で、巡礼堤とも、水門の名から巡礼の入樋とも呼ばれる。昔、長雨と大風雨が続いて堤が百数か所で切れ、なかでもこの場所だけはいくら築いても一夜で破れた。夕霧の堤に通りかかった母子の巡礼が、竜神の祟りだから人身御供が要ると言ったところ、名乗り出る者はなく、教えた者を立てよという声が上がった。母はそれを聞くと自ら人柱になると言って念仏ののち水に身を投げ、娘もあとを追った。すると水は引いて堤は無事に築かれ、村人は碑を建てて母娘をまつった。慰霊碑の銘などは、これを享和二年六月の権現堂川の氾濫の時のこととしている。

原典より

これをみた娘巡礼もその後を追って渦まく泥水の中に消えていった。—— 埼玉県伝説集成——分類と解説 中(韮塚一三郎・埼玉県伝説集成) より引用
地図で位置を見る

※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

埼玉県伝説集成——分類と解説 中(韮塚一三郎・埼玉県伝説集成)

『埼玉県伝説集成——分類と解説 中』は、韮塚一三郎が編んだ埼玉県の伝説集の中巻で、上中下三巻のうち歴史伝説を収める。地名・屋敷・家系・聖地・城や堤や橋・神仏・神体と宝物・偉業・事件と紛争の九章に分け、県内各地の伝説を『新篇武蔵風土記稿』などの文献と土地の人からの聞き取りによって集めている。一話ごとに所在地と出典または資料提供者を記し、同じ類型の話をまとめた後に柳田国男らの説を引く〈解説〉を置く。

種別から探す

人柱人身御供竜神

幸手市の伝承

同じ種別の伝承

同じ文献『埼玉県伝説集成——分類と解説 中』の伝承