追われた泥棒が逃げ込んだ喜多院の泥棒橋
どんな伝承か
川越の喜多院にある泥棒橋は、追われた泥棒がこの橋を渡って境内に入れば、捕り手から逃れられたと伝えられる。新聞の記事によれば、およそ四百年前の江戸時代、広い寺領を持つ喜多院の境内に細い木橋があり、悪事を重ねて町奉行に追われた泥棒がこれを渡って大師に参り、深く悔い改めて善人になったという説と、喜多院の中に入れば寺社奉行でなければ捕らえられないので多くの泥棒が逃げ込んだという説がある。古くなって危うくなった木橋は、のちに川越市が市道の一部として架け替えた。
原典より
追われた泥棒はこの橋を渡り、喜多院の境内に入ると、捕手から逃れることができたという。—— 埼玉県伝説集成——分類と解説 中(韮塚一三郎・埼玉県伝説集成) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
埼玉県伝説集成——分類と解説 中(韮塚一三郎・埼玉県伝説集成)
『埼玉県伝説集成——分類と解説 中』は、韮塚一三郎が編んだ埼玉県の伝説集の中巻で、上中下三巻のうち歴史伝説を収める。地名・屋敷・家系・聖地・城や堤や橋・神仏・神体と宝物・偉業・事件と紛争の九章に分け、県内各地の伝説を『新篇武蔵風土記稿』などの文献と土地の人からの聞き取りによって集めている。一話ごとに所在地と出典または資料提供者を記し、同じ類型の話をまとめた後に柳田国男らの説を引く〈解説〉を置く。