娘に笑いかける炮烙かぶりの地蔵
どんな伝承か
北葛飾郡栗橋町、今の久喜市にある炮烙地蔵は、笠の代わりに素焼きの炮烙をかぶっている。この炮烙は嫁入り前の娘が奉納するものだという。地蔵は女好きで、娘が前を通るとにこにこ笑うといわれ、女が通れば笑い男が通れば後ろを向くとはやされて、信仰を集めるようになった。編者は注で、東京駒込の大同寺の焙烙地蔵が頭痛やめまいに効くとされることも添えている。
原典より
この地蔵は女がすきで、娘が通るとニコニコ笑うという。—— 埼玉県伝説集成——分類と解説 中(韮塚一三郎・埼玉県伝説集成) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
埼玉県伝説集成——分類と解説 中(韮塚一三郎・埼玉県伝説集成)
『埼玉県伝説集成——分類と解説 中』は、韮塚一三郎が編んだ埼玉県の伝説集の中巻で、上中下三巻のうち歴史伝説を収める。地名・屋敷・家系・聖地・城や堤や橋・神仏・神体と宝物・偉業・事件と紛争の九章に分け、県内各地の伝説を『新篇武蔵風土記稿』などの文献と土地の人からの聞き取りによって集めている。一話ごとに所在地と出典または資料提供者を記し、同じ類型の話をまとめた後に柳田国男らの説を引く〈解説〉を置く。