患部に塗る油で病を治す油地蔵
どんな伝承か
本庄市児玉(旧児玉郡児玉町児玉)の実相寺が守る地蔵は、いつ見ても油が塗られていることから油地蔵と呼ばれる。皮膚の病に悩む人がこの地蔵の油を分けてもらって患部に付けると治るといわれ、治った人は礼参りの際、もらった油のおよそ倍を石の地蔵に塗って返すという。子育ての地蔵、火伏せの地蔵としても信仰され、ある年に供養を怠ったところ町に火事が起きたと伝わるため、近在の信者は今もその霊験を信じ、参詣が絶えないという。
原典より
皮膚病患者が地蔵尊の油をいただいて、患部につけるとなおるといわれ、お礼まいりには、いただいた油の倍くらい石地蔵に塗るのだという。—— 埼玉県伝説集成——分類と解説 中(韮塚一三郎・埼玉県伝説集成) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
埼玉県伝説集成——分類と解説 中(韮塚一三郎・埼玉県伝説集成)
『埼玉県伝説集成——分類と解説 中』は、韮塚一三郎が編んだ埼玉県の伝説集の中巻で、上中下三巻のうち歴史伝説を収める。地名・屋敷・家系・聖地・城や堤や橋・神仏・神体と宝物・偉業・事件と紛争の九章に分け、県内各地の伝説を『新篇武蔵風土記稿』などの文献と土地の人からの聞き取りによって集めている。一話ごとに所在地と出典または資料提供者を記し、同じ類型の話をまとめた後に柳田国男らの説を引く〈解説〉を置く。