石田三成の馬の怨霊と屈巣の観音堂
どんな伝承か
鴻巣市屈巣(旧北埼玉郡川里村)の馬頭観音堂に伝わる由来によれば、天正十八年に忍城を攻めた石田三成の乗馬が病気になり、三成は村人にいくらかの金を与えて世話を頼んだ。ところが村人はひそかに馬を殺し、その金を奪ってしまった。すると馬の怨霊が村に祟ったため、この観音堂を建てて馬の霊を弔ったという。今でも村の中では、死んだ馬の皮を剥ぐことが禁じられているという。
原典より
すると、馬の怨霊が村に祟ったので、この観音堂をたてて馬の霊をとむらった。—— 埼玉県伝説集成——分類と解説 中(韮塚一三郎・埼玉県伝説集成) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
埼玉県伝説集成——分類と解説 中(韮塚一三郎・埼玉県伝説集成)
『埼玉県伝説集成——分類と解説 中』は、韮塚一三郎が編んだ埼玉県の伝説集の中巻で、上中下三巻のうち歴史伝説を収める。地名・屋敷・家系・聖地・城や堤や橋・神仏・神体と宝物・偉業・事件と紛争の九章に分け、県内各地の伝説を『新篇武蔵風土記稿』などの文献と土地の人からの聞き取りによって集めている。一話ごとに所在地と出典または資料提供者を記し、同じ類型の話をまとめた後に柳田国男らの説を引く〈解説〉を置く。