奄美・ウンネジン(海から来る鼠)
どんな伝承か
南島雑話という本には、明治より少し前に奄美大島北部の農村で三年余り流人生活を送った薩摩藩士名越左源太の見聞が記されている。それによれば、海から入って来る鼠をウンネジンと呼び、その形は少し小さいが毛色は普通の鼠と変わらず、上陸してしまうと見分けがつかなかったという。蝗と同じように海上からやって来るものの害が最も甚だしいとされ、稲の苗や穂先まで食い荒らしたと伝えられている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第1巻(柳田国男・定本柳田国男集)
『定本柳田国男集 第1巻』は、柳田国男の著作を集めた著作集の一巻である。椰子の実の漂着から日本人の渡来と稲作を海の道に求める論考と、海神宮考・みろくの船・根の國の話・寶貝のこと・稻の産屋などの諸篇、大正期の南島旅行に基づく『海南小記』、昭和二十六年八月の自序をもつ『島の人生』を収める。いずれも海と島を舞台に、ニライカナイや宝貝、漂着や島の復興をめぐる民俗と歴史を論じている。