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尚徳王と久高の祝女、海に隠れる

所在地沖縄県南城市知念字久高
年代伝承(尚巴志王朝末・十五世紀)
登場向徳、尚徳王、国王
出典定本柳田国男集 第1巻

どんな伝承か

また向徳王という若い武勇の世の主があった。ある年の行幸に、この島の祝女の艶なる色香になずんで永く逗留している間に、都は乱れて王妃も王子も乱軍の中に失われ、衆に推されて英傑金丸が立って王となった。これを聞いて尚徳王は、あるいは憤って自ら世を早められたともいい、あるいは還御の船が覆って海に隠れたまうとも伝えられる。尚巴志王の花やかな統一事業はこうして跡が絶えてしまった。しかも今に至るまで、久高の島人が前朝を慕う情はまさしく一篇の詩であった。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

定本柳田国男集 第1巻(柳田国男・定本柳田国男集)

『定本柳田国男集 第1巻』は、柳田国男の著作を集めた著作集の一巻である。椰子の実の漂着から日本人の渡来と稲作を海の道に求める論考と、海神宮考・みろくの船・根の國の話・寶貝のこと・稻の産屋などの諸篇、大正期の南島旅行に基づく『海南小記』、昭和二十六年八月の自序をもつ『島の人生』を収める。いずれも海と島を舞台に、ニライカナイや宝貝、漂着や島の復興をめぐる民俗と歴史を論じている。

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