外間の根人が伝える思金松兼の産屋
どんな伝承か
外間の根人の家には、思金松兼の産屋を今でも保存している。母の思樽の衣袴も大切に伝えている。はかまというのはすなわちカカンであるらしい。白い羽二重のような絹であって、昔にかたどって後に製したのでない証拠は、紐に結んだ皺があり、またほんの少しばかり汚れていることである。すなわちかつてはこの美女の温かい肌を包んだものだというのである。思樽は久高の外間の根人真仁牛の妹で、首里の王城に召された巫女であり、思金松兼はその子であった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第1巻(柳田国男・定本柳田国男集)
『定本柳田国男集 第1巻』は、柳田国男の著作を集めた著作集の一巻である。椰子の実の漂着から日本人の渡来と稲作を海の道に求める論考と、海神宮考・みろくの船・根の國の話・寶貝のこと・稻の産屋などの諸篇、大正期の南島旅行に基づく『海南小記』、昭和二十六年八月の自序をもつ『島の人生』を収める。いずれも海と島を舞台に、ニライカナイや宝貝、漂着や島の復興をめぐる民俗と歴史を論じている。