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越後海府の山を覆う深紅の葛の花

所在地新潟県村上市
年代夏(著者見聞)
登場柳田国男、著者
出典定本柳田国男集 第2巻

どんな伝承か

海を見下ろす丘の斜面に葛の葉が一面に這い広がっている所は、各地に見られた。越後の海府あたりを夏に汽車で通ると、山はこの葛一色に染まり、杉も松もすっかり覆い隠され、深紅の葛の花ばかりが突き出すように咲いていた。著者は、山が荒れはじめたあと二次的な植物としてこの蔓草がとくに栄える時期があるのか、あるいは牧畜の衰えなどにつれてこうした偏りが生じたのかと考え、いずれにしてもこれは大昔から変わらぬありのままの景色ではないだろうと述べている。

原典より

越後の海府なども汽車で夏通ると、山はこれ一色で杉も松も覆ひ盡し、深紅の葛の花ばかりが抽け出して咲いて居る。—— 定本柳田国男集 第2巻(柳田国男・定本柳田国男集) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

定本柳田国男集 第2巻(柳田国男・定本柳田国男集)

『定本柳田国男集 第2巻』は、柳田国男の紀行と旅の随筆を収めた著作集の一巻である。昭和三年一月の自序に続く「雪国の春」や菅江真澄の日記を読み解く文をはじめ、東北の村々の正月、火と炭、浜の暮らしの見聞、「秋風帖」「東国古道記」、昭和十五年十一月の自序を持つ「豆の葉と太陽」などの紀行を並べる。峠や古道、佐渡・五箇山・熊野などの土地を、住む人の暮らしと信仰から見ようとする文が多い。

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