口寄せの亡児が告げた秋の病
どんな伝承か
新潟県村上市での話。村上方面では、死後五十日を過ぎたら「道開」をしてやらねばならぬといって、必ずミコのもとへ死者を呼び出しに行く。語り手も亡くした子のため、五十一日目にあたる昭和十六年六月二十二日、真仲間町のミコのもとへ妻とともに出かけた。亡児は語り手の亡母に連れられて出てきて、この夏の終わりから秋にかけて病気にかかることがあるから気をつけてくれと言った。半信半疑でいたが、八月三十一日に風邪をひき、それがもとで十日間まったく食事が取れず、九月いっぱい床についてしまったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話(松谷みよ子・民話・口承文芸・2003年(平成15年))
『現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話』は、松谷みよ子が編んだ現代の民話の聞き書き集で、二〇〇三年一月付の文庫版まえがきを持つ筑摩書房の文庫版である。一九七八年に発刊された『民話の手帖』を通じて全国から寄せられた回答を中心に、臨死体験、死の知らせ、寺へ来る死者、生まれかわりの話を収める。「あの世へ行った話」「死の話」「生まれかわり」の三章の冒頭に編者の論考を置き、細目ごとに所在地・話者・出典を添えた類話を並べる。