柳明の風下分家伝承
どんな伝承か
柳明は境川の対岸の岡から眺めると、ほぼ真っ直ぐ南北一列に大きなゆったりとした屋敷ばかりが並び、昔風の宿場を裏から見るような形の村である。村の南手にやや大ぶりな小山があって一帯の風よけになっており、南風のひどい土地だから風下へ風下へと分家をした結果こうした一列の村ができたと土地の人はいう。北のはずれから三軒目の石井直吉の家もその新しい分家の一つで、初代は過去帳では元禄何年かに没している。総本家はずっと南にあり維新前に没落したが、金の十六の菊の紋を打って叱られ削がされた痕が門の正面に残る。今二十数戸の石井は皆この家の子孫である。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第3巻(柳田国男・定本柳田国男集)
柳田国男編『定本柳田国男集 第3巻』を全158話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。