恋ヶ窪の一つ葉松と牛頭天王
どんな伝承か
野川の水上は恋ヶ窪の清水であった。窪地には少なくとも三つ以上の湧水が池を満たして溢れ、線路にいちばん近い一つが例の姿見の池であろうという。村の更生計画でこれを養魚場に改造し、竹垣で囲って傍まで行けないようにしてある。そこを回って西表の方へ出ると一面の田で、突き当たりを大道が北へ通り、右手の岡の端には名木の一つ葉の松が高く聳え、その根元に書物で馴染みの牛頭天王の祠がある。この辺の天王様はどれも神輿をしまう御庫のようなもので、一つ葉松の下の祠も真ん中に金色の小さな神輿を安置し、常の日もそれへ参詣するようになっていた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第3巻(柳田国男・定本柳田国男集)
柳田国男編『定本柳田国男集 第3巻』を全158話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。