海底の墓へ参るという海豚
どんな伝承か
海豚の墓参り・仏参りということも、越後の柏崎付近その他方々で聞いて少しずつ書き留めていると柳田はいう。壱岐島でも渡良の湾内での話があった。日はいつの頃であったかもう一度問うて記しておきたいが、何でも海の底に墓があるので、それへお参りに来るのだということであった。この動物が数多く行列を作って同じ方角へ進んでいく様子が、どこか物詣りのような印象を与えたからかと思うが、それにしても遠く懸け離れた土地に同じ言い伝えが数多くあるのは面白いことだと述べている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第3巻(柳田国男・定本柳田国男集)
『定本柳田国男集 第3巻』は、柳田国男の紀行・日記・随筆を集めた著作集の一巻である。相模・武蔵の村々を歩いた「水曜手帖」、昭和二十三年八月の自序を持つ「北国紀行」、明治四十三年の「五十年前の伊豆日記」、国際聯盟の委任統治委員会に勤めた大正十一年の「瑞西日記」と「ジュネーブの思ひ出 その他」を収める。後半の「菅江真澄」は昭和十七年二月の序を付け、真澄の著述と旅の跡を年を追ってたどり、写真解説を添える。