近江商人・江州店の奉公制度
どんな伝承か
明治四十三年五月二十一日、柳田国男が沼津の宿で相宿になった日野屋の店員から、いわゆる江州店の奉公制度について聞いた話。日野町は千五百戸のうち五百戸がたな持ちの家で、日野屋の店員は近江から連れてこられ、奉公の初め七年は帰郷を許されず、三十歳を超えるまで妻を持たせず、妻子は郷里の日野に置く定めであった。三十五年勤めた者には年金五百円が給されたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第3巻(柳田国男・定本柳田国男集)
『定本柳田国男集 第3巻』は、柳田国男の紀行・日記・随筆を集めた著作集の一巻である。相模・武蔵の村々を歩いた「水曜手帖」、昭和二十三年八月の自序を持つ「北国紀行」、明治四十三年の「五十年前の伊豆日記」、国際聯盟の委任統治委員会に勤めた大正十一年の「瑞西日記」と「ジュネーブの思ひ出 その他」を収める。後半の「菅江真澄」は昭和十七年二月の序を付け、真澄の著述と旅の跡を年を追ってたどり、写真解説を添える。