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筑後渡瀬の狐の産婆

所在地福岡県みやま市(渡瀬駅)
年代五六年前(大正頃)
登場開業産婆
出典定本柳田国男集 第4巻

どんな伝承か

五、六年前のことだという。筑後の渡瀬駅で開業している産婆が、夜更けに見知らぬ家から車で迎えられて出かけた。使いに来たのは三十歳前後の商人風の男で、ひどく早口だった。鶏が鳴く頃にようやくお産が済み、絹の夜具に寝かされてうとうとしたと思ったら、気がつくと江の浦街道の道端の草むらの中で寝ていた。ただし枕元には紙に包んだ新しい本物の五円札が置いてあった。柳田はこれを、古い話が新しい衣装をまとって今もそのあたりを歩いている例として挙げている。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

定本柳田国男集 第4巻(柳田国男・定本柳田国男集)

『定本柳田国男集 第4巻』は、柳田国男の著作を集めた定本の一巻である。岩手県遠野の伝承を佐々木鏡石から聞いて書いた「遠野物語」、山に入った人や神隠しを論じた「山の人生」、河童・ひだる神・一つ目小僧・天狗などを扱い妖怪名彙を付す「妖怪談義」を収める。ほかに「山人考」「史料としての傳説」「比丘尼石の話」「山人外傳資料」「『イタカ』及び『サンカ』」「山民の生活」など、山人・漂泊民・妖怪をめぐる論考を併せる。

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