天満自在天神に祀られた道真の怨霊
どんな伝承か
学者出身の政治家・菅原道真は右大臣にまで昇るが、ライバルの藤原時平によって失脚させられ、大宰府へ左遷されて延喜三年にその地で没した。まもなく京や近隣の村々で洪水や疫病が流行し、道真の祟りだとの噂が広まるなか、時平や二人の皇子、さらに醍醐天皇までも相次いで崩御した。朝廷は道真の怨霊を「天満自在天神」として祀り上げることで怒りを鎮めようとし、没後およそ五十年を経て創建されたのが北野天満宮の始まりだという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
異界巡礼(小松和彦)
『異界巡礼』は、小松和彦が著した民俗学の論集である。狐が人に化ける方法と如意宝珠、蓮如絵伝の異人、鬼退治譚と怨霊、家の盛衰をめぐる民話、夢信仰、巫女と陰陽道、洞窟や龍宮の他界観、人を神に祀る信仰、神隠しなどを、昔話・説話・絵巻・お伽草子と高知県物部村などでの調査をもとに論じる。論考と随想を部に分けて並べ、「民俗のランドスケープ」の部には妖怪、凧上げ、祓い、霜月祭り、呪い人形をめぐる小文を収める。