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天狗に連れ去られた竜爪山の神隠し

所在地静岡県静岡市清水区(穂積神社)
登場浪足金六郎、岩手伊ヱ門、藤右衛門、久平、おせき、空へ舞い上がった家士、金六郎の主人、神隠しに遭った百姓、大松に屍を掛けられた豪農、藤右衛門の妻
出典日本の妖怪伝説

どんな伝承か

静岡の北にそびえる竜爪山は昔から神秘の山で、峰に穂積神社がある。江戸時代、駿府在番の岩手伊ヱ門の家士浪足金六郎は、高熱に伏した明け方に脇差を抜いて外へ出ると空へ舞い上がり、竜爪山のほうへ飛び去った。三日目に山近くのススキの中で見つかったが、捜す人々に斬りつけ、また鳥のように宙へ舞い上がったと西奈村誌は記す。また有度郡寺家上島の情け深い百姓藤右衛門は、日暮れに来る乞食坊主に施し続け、天から下界を見たいと漏らした。のち村人と穂積神社へ参る途中で姿を消し、七日目の朝に戻って、空から村を見物したと語ったという。

原典より

そこにいた人々は、ただ唖然としてその姿を見守っていたが、空高く舞い上った金六郎は竜爪山さして翔んで行った。—— 日本の妖怪伝説(小笠好恵・1966年(昭和41年)) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

日本の妖怪伝説(小笠好恵・1966年(昭和41年))

『日本の妖怪伝説』は、小笠好恵が各地に伝わる奇談・怪談を読み物にまとめた伝説集で、序は昭和四十一年五月付である。浅茅が原の一つ家、四谷怪談、九尾の狐、安達が原の黒塚、道成寺、鍋島の化け猫など、岩手から熊本までの四十五話を、伝えられた形をなるべく崩さずに書き直し、おおむね東から西へ並べる。雨月物語や小泉八雲など書物に拠る話のほか近年の体験談も混じり、一部の話の末にはゆかりの寺社へ行く「順路」を付ける。

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